黒電話のある風景と、記憶の中の“整った空間”
黒電話覚えてますか?
使ってましたか?
小さい頃、祖父母と一緒に暮らしていた家に黒電話がありました。
正確に言えば「電話があった」のですが、当時の私はまだ使えない年齢。
ただ、その存在感はしっかりと心に残っていますねぇ。
その後引っ越して、電話はプッシュ式になったのですが、
今思えば、プッシュ式もそれはそれで味わいのある形でした。
携帯電話に比べると懐かしさが…ってまだありますね。笑
今も職場や実家では昔のままのプッシュ式電話が現役ですね。笑
なんならFAX付きで、まだまだ頑張ってくれている。

あの頃の黒電話の音、「ジー……ジー……」と戻るダイヤルの響きが好きでした。
祖母が電話をかけるたび、私はそのそばに立って、ただじっと見ていた気がします。
なんでもない日常の一コマ。
でも、それがとても静かで豊かな時間だった気がします。
電話の下には小さな花柄の布。受話器にはレースのカバーがかかっていて、
上には丸く編まれたレースがふわっとかけられていました。
“電話機”ひとつに、モノを大切にする気持ち
その行動の一つとして空間が整えられていた‥
今思うと、あの頃の“整えられた空間”に私は惹かれていたのかもしれません。
電話をかける祖母、の隣にいるだけの私
物が置いてあるだけではなく、「誰かが丁寧に用意した空間」。それはきっと、
今の私の「好き」の根っこにつながっているのかな。
と思ってみたり。
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