私はたぶん……10段くらいまでは、何も考えずにスッと登れる気がします。
でも一段一段が高いと、「あれ?思ったより脚を上げなきゃだった…」なんて、
ちょっと驚いたりしますよね。
お城や昔の建物って、そういう急な段差があったりして。
あれは敵を入れにくくする工夫だったと聞いたことがありますが、そういう“意味のある不便さ”には、
なぜか風情を感じてしまったり。

山道にある丸太の階段も、いきなり段差が高くなって「えっ⁉」ってなることもあるけれど、
私はあの感じ、ちょっと好きなんです。
自然の中で、身体を使って登っていく感覚って、なんだか気持ちがシャキッとするというか。
とはいえ、登りやすい階段でも、それが延々と続いていると、やっぱり心が折れそうになります。
特に視界にドーンと先が見えてると、「うわ…」って、気持ちが萎えることも。
そう考えると、非常階段って意外と絶妙かもしれません。
「トン、トン、トン」ってリズムよく登れて、途中のカーブで一息つける。
あの“ちょっとずつ登る”感じが、案外ちょうどよかったりして。
降りるときも、ずっと一直線より、ちょこちょこ区切られている方が、膝にもやさしいですよね。
たまに映画のワンシーンみたいに、もし自分が一気にジャンプで降りられたらかっこいいなあ…
なんて妄想することもありますが(笑)。
……なんだか階段の話からずいぶんそれちゃいましたが、
神社や山道、お城など、意味のある場所にある階段は、それ自体が“目的”みたいで、
登ることにも納得感がありますよね。
でも、ただの“階層移動”なら、やっぱりエレベーターやエスカレーターに頼りたくなる。
それでもたまに、あえてエスカレーター横の階段を登ってみたりして。
「今日はちょっと健康を意識してます」みたいな自分、
実はけっこう好きだったりします。
そういう時って、小さな「いいこと」をした気分になりませんか?
……ね、ありますよね、そういうの(笑)。
